ごきげんの種

機嫌のいい毎日を。たび記録、モノ記録、とらわれない生き方、全部シンプルに、を目指し。

見え方が変わる

養老孟司さんの「バカの壁」を今になって読んでおります。情報は不変、人間は変化する。自分というものの見方次第で壁ができたりなかったりする。自分の見えているものが絶対だと思い込まないことで、周囲の不変のものに対する受け取り方が変わる。こんな感じの解釈で正しいでしょうか。

 

そしてその、わたしを四方に囲んでいるであろうバカの壁が、ほんの一方向にだけですが、開きかけたのを感じる最近。

 

今まで、その他の妊婦さんはただの妊婦さんだった。子連れのお母さんはただの子連れのお母さんだった。それが今や、全ての人は自分がいまから経験するアレコレの先輩であり、わたしがまだ知らないたくさん苦労されてるんだろうなぁとしみじみと感じる。無関心であった、完全に他人ごとだった頃には見えなかった景色。

 

自分や夫の両親に対しても、そのアレコレを乗り越えて今があるんだなぁ、と思うと、今まで感じたことのない尊敬の念やら感謝の念やら、もろもろ湧いて来るのです。少なくとも、妊娠がわかった後、あの心配性の母がどれだけ腹の中のわたしの身を案じたことか。不自由な身になって、どれだけやりたいことを封印してくれたか。自分が追体験している部分については、なんとなくわかった気がします。

ほんと、親の心子知らずとはいうけれど、そしてまだまだお前全然わかってないと言われそうだけれど、少しだけどわかった気がします。

相当年を取らないとそのあたり、子供はわからないものなのね。わたしだけか?

 

お子にはそのあたり、一生期待しないでおこうと思う。きっと今のこの心境をわかってもらうには、人の親になってくれるまでは少なくとも無理だろうから。